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見張りの兵士が敵襲を告げた。降りしきる雨に紛れて、突如、武器をもった無数の男達が現われたのだ。
しばしの静寂を打ち破るかのように、船の周りには、剣を振り上げる男達の、野卑な奇声が轟く。今まさに、男達が船に這い登ろうとする、その寸での所で、ローディスの騎士達がそれを退けた。
それは、突然の敵襲ではあったが、予想していないものでもなかった。季節外れの嵐に遭遇し、漂着した騎士団の船は、あまりにも目立つものだったからだ。しかし、現場に駆けつけたレクトール達を驚かせたのは、その数だった。
「これは、寄せ集めの、偶発的なものではないな。」
レクトールは、つぶやいた。
「この人数にしろ、あいつらの装備にしても、急場に揃えたものとは思えない。」
「まるで、俺達がここに来ることを知っていたみたいだ。」
側についていたアルフォンスが、雨に濡れた髪をかきあげた。
「ローディスの騎士よ!」
リーダーとおぼしき人物が、大きな声を張り上げ叫んだ。
「お前達の命、ここで頂戴する!」
レクトールはそれに応えて、叫んだ。
「誰の命令で、ローディスに刃を向けるのか!」
「お前の知ったことか。」
嘲け笑うかのように、周囲から野次が飛ぶ。
「ローディスのお坊ちゃま方は、ここで死ぬ運命なのだからな。」
「オーソンヌ。」
レクトールが腹心の部下を呼んだ。
「あの者達に、ローディスの力を思い知らせてやれ。」
「はっ。」
彼の忠実な部下である古老のアーチャ−は、指令を受けると、雨の中に消えた。
レクトールは突剣を抜き、アルフォンスと目を合わせた。
「アルフォンス、行くぞ。肩慣らしには、ちょうど良い相手だ。」
二人は共に、船の外へと踊り出た。
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